アウトドアプロジェクト続報

先日のコンクリートに続き、今週はレンガを敷いていただきました。地面が明確にエリア分けされたことで、全体のイメージがより具体的に、そして立体的に頭の中で立ち上がり、細かい部分の処理も少しずつ考え始めています。

今回のレンガは「ヘリンボーン」というえらい面倒な敷き方でお願いしてしまったので、きっと作業は大変だったと思いますが、仕上がりの美しさに感動しました。あらためて、今回コンクリート打ちとレンガ敷きをしてくださったお二人に感謝です。ここまでお膳立てしていただいたので、何とか素敵なスペースにしなきゃ。

これまでお店と家の両方で犯してきた数々の失敗を活かして、焦らずによく考えながら細かい部分まで設計していきたいと思います。

前回書いたラフスケッチから大きく変わってはいませんが、レンガが敷かれた状態をじっと眺め、もう一度別の角度からのスケッチを作成中。

テーブルに座るお客様の視線は?見える景色は?店内からの導線はスムーズ?

雨樋から壁沿いを地面に向かって伸びる竪樋(たてどい)や屋外電源まわりをどう処理する?デッキからレンガ部分へ降りる時のステップは?木製のプランターを作るとしたら、どうやったらできるだけ腐らないような作りにできる?水やりした時に下からこぼれ落ちる水はどこへ流れる?小さなおうちとレンガ部分はどうやってシームレスにつなぐ?電飾はどれくらい必要?

決めていくことはまだまだたくさんあるし、細かい部分に気を取られすぎて全体の雰囲気を損なわないようにもしたい。けど考えすぎるとなかなか前に進まないから、ある程度の勢いも必要。

そうやってあれこれ考えてるとわからなくなりそうだけど、目を閉じて、このスペースが実際に使われている光景を思い浮かべながら、心の声に耳を澄ませていけばきっと大丈夫、とも思う。

自然の匂いを感じながら穏やかな顔をしているお客様の顔や、元気に走り回る子供たちの姿。ワンちゃん連れのファミリーや、いくつもの坂を越えて辿り着いたサイクリスト。じりじりと照りつける夏の日差しの中、タルトを頬張ってくれたり、もしかしたらすごく寒い日でも、白い息を吐きながら、カフェラテやミルクティーのカップを両手で包み、寒い寒いって身体を揺すりながら過ごしてくれる人もいるのかも。

暑くても寒くても、ちょうどいい感じでも、ここで時間を過ごして、ちょっとでも良い気分を持ち帰ってもらえたら嬉しいです。

日々の仕事や学校や家事や介護。自分が何をしたいのかわからなくなったり、人間関係がギクシャクしたり、自分に自信がなくなったり。思い通りにいかないこともたくさんある毎日だけど、そんな日常にポワッと温かい何かを少しだけ持って帰れるような場所でありたいと思います。

このアウトドアスペース作りも、そんな場所であり続けるための具体的な行動のひとつ。いつの時もそれを忘れずに、これからの設計・施工を楽しもうと思います。