気持ちが塞ぐときこそ

日々楽しく穏やかに過ごしているつもりでも、気がつけば全身に重たい何かがまとわりつき、頭の中にはネガティブな思考が充満し、どうしようもなく気持ちが塞いでしまうことがあります。

漠然と暗い気持ちになるようなニュースが次から次へと流れてきたり、日常の中で何となくモヤモヤすることが続いたり、自分が無価値で透明な存在に思えたり。

そんなときこそ、ここでお店を続けてきて良かったと思う。

世の中でどんなことが起きていようとも、ここを目指して訪れてくれるお客様には楽しく穏やかな時間を過ごして欲しいと心から願い、今その瞬間に目の前にいる人への感謝の気持ちを伝えられるから。

そうやって毎週末たくさんの方々と笑顔で言葉を交わしていると、暗い気持ちもモヤモヤも、自分の中の自意識過剰で身勝手な不安や悩みも、少しずつ姿を消していく。

感謝の気持ちや喜びを分かち合い、心が触れ合う瞬間は、勇気や希望をみなぎらせる力強さに溢れていて、視界を覆っていた分厚い霧を払いのけ、その向こうにある景色は今日も変わらずに美しいのだと気づかせてくれます。

迷ったり悩んだり、気持ちが塞いでしまうことがあっても、その美しい景色に気づけるように、心に余裕を持ちながらできるだけ長くこのお店を続けていきたい。

慈善事業ではないけど営利主義でもない。ビジネスとも趣味とも違っていて、経済的な意味での成長はあまり考えないけど、お店はお店として自立していられる状態を保ち続ける努力をする。

その絶妙なバランスの上に成り立っているのが、週末を迎えるたびに自分たちの心を出来る限り最高の状態に整えて向き合いたいと思える、今の eatos だと思っています。

ぼくたちにとって本当に大切なこの場所で、お菓子も飲み物も自分たちが本当に美味しいと思うものだけをお届けして、時には誰かの心の中の霧をも払いのけ、人生や世の中の美しさに目を向けられるような場所になれたならいい。

気持ちが塞いでしまうときこそ、eatos のことを思い出してくれる人たちがいるとしたら、やっぱりここでお店を続けてきて本当に良かったと、心からそう思います。