Pass it on

今さらブログというのもどうかな、とも思ったのですが、やっぱり書くことにしました。

InstagramやFacebookは、季節のタルトの紹介や営業に関するお知らせをするにはとても便利だし、お店のことを思い出してもらったり、知ってもらうきっかけとしても役に立っているのだろうと思う。

でも「いいね!」って押してもらってそのまま流されていく感じがどうしてもしっくりこないのです。リアクションしてもらえることはとても嬉しいけど、猛烈な勢いで膨大な情報が流れていくSNSの世界では、eatosが思うお客様との繋がりや、社会との繋がりを作ることは難しいと思っています。

ならばnoteに書いてみよう!と思って何度か記事をアップしてみたものの、noteという他人のプラットフォームに合わせた感じに書こうとしてしまって、どうにもうまくいかない。

だからやっぱり、ホタルカフェの時と同じように、eatosはeatosのプラットフォームで、広く浅くではなく、eatosに来てくださる大切なお客様に向けて、みんなの顔を具体的に思い浮かべながら書きたいと思いました。

今、eatosに来てくださるたくさんのお客様の表情を思い出してみる。
温かい言葉をくれたり、嬉しい気持ちを伝えてくれたり、大抵の場合みんな笑顔です。

でもきっと、日常生活では楽しいことばかりじゃないですよね。

辛い闘病生活を送っていたり、大切な誰かを失くしたり。

誰にも言えない仕事や家事の重圧があって、それをギリギリのところで踏ん張っていたり。

誰かを傷つけてしまう自分の弱さに嫌気がさしたり。

自分がどこへ向かっているのかわからなくなって焦りを感じていたり。

先の見えない漠然とした不安に覆われていたり。

家族と、友達と、同僚とうまくいかない。

失恋したばかりだったりもするよね。

そりゃあ、良いことばかりじゃないです。
いつでも笑顔で幸せにいられたら良いけど、笑えない日々だってある。

そんなとき、eatosで過ごす時間やeatosのタルトが、少しだけ気持ちを持ち上げたり、ほんの少しの間でも嫌なことを忘れさせたり、そしてあわよくば、何かを変えていく勇気を持つきっかけになったりしたらいいなと思う。

昨年から始まった新型コロナウイルスの影響で、ほんの少し前には想像すらしていなかった日々を過ごしています。

ウイルスや自然災害、テロや戦争や人種差別。これから先、もしかすると想像を絶するような暗闇が待っているのかもしれない。

そんな状況を誰か一人の力で覆すことは到底無理だけど、自分が関わる人たちのことを想い、その人たちとの間に温かく穏やかな時間を生み出すことならできる。

その優しい熱を帯びた静かな光が、互いに呼応しながら、ぽつりぽつりと増えていく。その光が世界中のそこかしこに灯り、いつしかこの世界を埋め尽くすほどの光の帯になる。

その光景をイメージしながら、日々を丁寧に優しく過ごすことなら、誰にでもできるのだと思います。

すぐに目に見える結果が出ることはないのかもしれない。それでも日々の生活の中で自分にできることをやる。それがやがて、今を生きる子供たちや、そのまた子供たちが過ごす光輝く未来につながっていくのだと信じています。

この場所に移り住んでから10年。
年齢を重ね、少し肩の力が抜けた状態にある今、次の世代にできる限り最高の形でバトンを渡していくために、カフェとして、一人の人間としてできることは何だろう。
それをいつも考えています。

そんなわけで、eatos blog – pass it on、今さらながらスタートです。